籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

「日常生活に支障はなくても、このケガを負ってから…俺は喧嘩ができなくなった」

「え…?」


でも、路地裏でわたしをチンピラから助けてくれたし、わたしを守るために裕一くんにも殴りかかってくれた。

あんなに強い玲なのに、喧嘩ができないって…どういうこと?


着替えのスウェットを頭から被り、顔を出す玲。


「俺、一度…。RULERに入ってすぐに、十座にタイマンを申し込んだことがあるんだよ」


その話――、知ってる。


『ただの噂っすけど、玲サンが十座サンの顔面を一発殴ったことがあるって話は聞いたことがあります』


わたしがRULERへきてすぐのとき、裕一くんが話していた。


「たしか、十座を一発殴ったんだよね?」

「…知ってるのか?裕一がペラペラ話でもしたか?」

「う、うん。裕一くんはただの噂とは言ってたけど…」