籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

「…壮馬さん、よかった。目が覚めたんですね」

「お兄ちゃん…大丈夫なの!?」

「2人同時にしゃべるなよー。…とりあえず、よく眠ったから大丈夫そうだ」


そう言って、笑ってみせるお兄ちゃん。


…もう。

こんなときに冗談なんか言って。


「…美鳥はなにも悪くない。お前があの場にいようがいまいが、RULERを追い払うことができなかったのは、副総長であるオレの責任だ…」


お兄ちゃんは痙攣する腕を伸ばし、枕元にいるわたしの頭をなでる。


「…オレも腕が落ちたもんだな。幹部でもねぇあんなやつら相手にこのザマとは…」

「そんなことありません…!やつらは、意表を突いて数で襲ってきたんですから!壮馬さんがいなかったら、もっと被害が出ていたはずです!」

「そうか…。でも、もし総長のあいつがいたら、あれくらいの人数なら1人でやっちまってただろうな」