籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

そう思いながら、夜中も玲の様子を何度か見にいっては眠れない夜を過ごした。



次の日も、玲の体調は変わらず。


「…39度4分」


玲から受け取った体温計を見て、わたしは眉をひそめた。


昨日よりも玲の食欲も落ちて、ゼリーを少し口にする程度。

回復の兆しがまったく見えない。


「…俺のことは後回しでいいから、少しは休め。じゃないと…、お前が倒れる」

「平気。わたしは大丈夫だから」


自分がつらい状況だというのに、わたしの心配をしてくれる玲。

でもわたしは、できることならなるべくこうして玲のそばにいたい。


ベッドに横になりながら、虚ろな目で天井を見つめる玲。


「どうして…、俺のためにそこまで尽くせるんだ?俺はお前に、どれほど謝っても許されないことをしたっていうのに…」