籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

「でも、大丈夫だから。少し寝てからまた食べる。だから、お前は部屋に戻ってろ」


まるでわたしをあやすように、玲はぽんぽんと頭をなでる。


「じゃあ、ここに熱冷ましの薬も置いておくから」

「ああ」


玲の手の届く範囲に必要なものを並べると、わたしは玲の部屋から出ていった。


だけど、やっぱり玲のことが気になってしまう。

自分の部屋にいても落ち着かない。


そこで、何度か玲の部屋をのぞきに行った。

玲はずっと寝ていたけど、空になったおかゆの食器が残されていた。


…よかった。

玲、食べてくれたんだ。


それを見て、ひと安心する。


しかし、その日はまったく熱は下がらず。

熱冷ましを飲んだあとはいったん下がるけど、薬が切れたらまた上がるの繰り返し。


明日にはもう少しよくなっていたらいいな。