籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

「おいっ、玲。なんでお前が飲んでやがる」

「妃候補に自ら飲ませても嘘をつかれては意味がないので、かわりに俺が。それに俺も風邪気味だったので、薬ならありがたくいただこうと思いまして」


十座は軽く舌打ちして、玲に顔を向ける。


「で、その液体はなんだったんだ?」

「ほのかに甘かったので、言っていたとおりただの風邪薬のようですね」

「な〜んだ、つまんね」


平然として交わす十座と玲の会話。

その2人のやり取りをわたしはどぎまぎしながら聞いていた。


もしあの液体が本物なら、甘いはずがない。

少しでも口に含めば、強烈な苦みを感じると。


しかし、玲にこれといった変化は見られない。


…じゃあ、裕一くんは偽物をつかまされていたということ?


「オレはてっきり、美鳥がオレに毒を盛ろうとしたのかと思ったぜ」