籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

それを聞いて、わたしは眉をひそめた。


――暴走族『RULER』。


RISEの『姫』といっても、普通の女子高生と変わらない暮らしを送っているわたし。

そんなわたしでも、…名前くらいは聞いたことがある。


たしか、全国で1位2位を争う勢力を持つ暴走族だと。


でも、RULERと抗争に発展するのは名のある大きな暴走族。

創設当初の勢いのあった頃に狙われるならまだしも、総長がいない勢力が縮小した今のRISEを襲う理由なんて――。


「どうして、RULERに目をつけられるようなことに…」


わたしの言葉に、雅人くんはまたうつむいてしまった。

そして、絞り出すようにつぶやく。


「…あいつらの目的は、『姫狩(ひめが)り』だ」

「姫狩り…?」


聞き慣れない言葉に、わたしは首をかしげる。