籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

「そういうことなら返してやれ、玲」


その言葉に、わたしは十座を二度見した。


…信じてくれた?

こんなにも…あっさり…?


「十座さんがそう言うのなら…」


玲はわたしに小瓶を手渡す。


…よかった、なんとか免れた。

あとから調べられる前に、この小瓶は処分しておかないと――。


「だったら、美鳥。今ここで飲んでみろっ」


思わぬ言葉に、わたしは顔を上げる。


「……え…?」

「そんなに驚くことか?ただの風邪薬なんだろ?」

「そ…そうです…」

「それなら、なにをためらう必要がある?…それとも、やっぱりなにかマズイ薬だったのか?…あ?」


再びわたしの顔色をうかがう十座。


やっぱり…信じるわけがなかった。

十座は初めから、わたしのことを疑っていたんだ。


ここで飲むのを拒めば、わたしが危ない薬で十座に危害を加えようとしたと認めるようなもの。