籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

「そ…、それは……」

「そもそもなんだ、この中身は?…返答次第では、兄貴の身に関わるぞ」


その言葉に、一瞬にして背筋が凍るのがわかった。


RISEのため、お兄ちゃんのためと思ってこの薬を使おうとしたけれど――。

我を忘れて、…失敗したときのことなんて考えていなかった。


このままじゃ…、お兄ちゃんが危ない。


「その中身は…」


わたしは、緊張で細くなった喉でごくりとつばを呑む。


「…シロップの風邪薬です」

「風邪薬?」


なるべく平静を装う。


「夏風邪を引いたみたいで…。だからこの前、学校の医務室からもらってきて、それで…」

「ふ〜ん。風邪薬…か」


十座は、わたしの顔をのぞき込む。

目線をそらしたいのを必死に我慢した。


すると、わたしのことを怪しんでいた十座が、突然にこりを口角を上げる。