籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

わたしが、――“傷ついている”?


玲の言葉が胸に刺さり、初めて気づかされた。


「わたしって…、傷ついていたの?」


自分の胸元に手を添える。


「正直…見ていられないほどにな。それなのにその傷を隠すために強がって…笑って…。こんなにボロボロになるなら、もっと早くに助けてやればよかった…!」


玲が噛みしめる唇からは血がにじんでいる。


玲の言葉はわたしに向かって言っているというよりも、むしろ自分に言い聞かせているように聞こえた。


…わからない。

これまでも何度かあったけど、なぜ玲は他のRULERのメンバーたちと違って、わたしに寄り添おうとしてくれるの…?


「お前は1人なんかじゃない…!俺は、お前の味方だ」


み…かた…?

…玲は、わたしの“味方”…?


でも、玲はRULERの副総長。