籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

するとそのとき、わたしの頬がほんのりとした温かさに包まれる。


驚いて見上げると、玲がわたしの頬に手を添えて見つめていた。

しかも、今にも泣き出しそうなくしゃっとした表情をして。


「な…なんで、玲がそんな顔してるの…」

「それはこっちのセリフだ。どうして、…そうやって笑える」

「え…?」


どうしてって――。


「…ついさっきまで泣いてたんだろ?RISEが潰されて…悔しくて悲しいんだろ?こんな理不尽な目にあって、毎日つらいんだろ…?」

「…そんな、わたしはべつにっ」

「強がるな。俺の前では、すべてをさらけ出せばいい」

「な、なに…?玲、急にどうしたの――」

「それに、RISEや俺のことよりも、なんで自分の身の心配をしない…!?お前は…こんなにも傷ついているっていうのに」