籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

「…雅人くん、…みんな」


わたしは目をつむり、唇を噛みしめた。


ごめん…、本当にごめん。

わたしのせいで、RISEのみんなが…。


みんなの笑った顔が脳裏に浮かぶ。


今度こそ、楽しかったあの頃には戻れないんだと思ったら、じわりと目の奥が熱くなった。


『それなら、RISEじゃなく…その兄貴に責任を取ってもらおうか?』


それに、お兄ちゃんまで人質に取られたようなもの。


RISEを失って、さらにお兄ちゃんまで失ってしまったら――。

もう…わたし……。


目の端から一筋の涙が伝う。

それを皮切りに、次から次へと涙がこぼれた。


――つらくても、悲しくても、絶対に涙は見せない。


そんなわたし自身を鎧にして、これまでのRULERでの生活に耐えてきた。


1人で寂しい夜なんて、今まで何度あっただろうか。