玲…、どうしてそこまでして。

玲が責任を取ることになったら、タダじゃ済まないはずなのに。


「…ほう、おもしろい」


十座は薄ら笑いを浮べると、ゆっくりとした足取りで玲のもとへ向かう。


「お前ももの好きだな。…いや、仕事熱心と言うのか。そんなに罰を受けたいのか?」

「覚悟はできています」


そう言って、毅然とした態度で十座と向かい合う玲。


このままじゃ、また玲がわたしのせいで殴られる…!


そう思った、――そのとき。


「…フフッ、ハッハッハッハッハ!おもしれぇな!」


突然、十座がお腹を抱えて笑い出した。

張り詰めていた空気が一瞬にして解ける。


「お前が知ってて美鳥を夜中に逃がしたのなら話は別だが、寝てる間に起こったことを咎めるほどオレは鬼じゃねぇよ」

「…しかし!」