籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

すぐにでも、「はい!行きます!」と答えたい。


でも、わたしは――。

ここから勝手に出ることは許されない。


それに、週に一度のお兄ちゃんのお見舞いは一昨日に行ったばかり。

こんな時間に頼んだところで、はたして行かせてもらえるのだろうか…。


〈…越前さん、聞こえてますか!?〉


電話の向こう側から看護師さんが呼びかける声が聞こえる。

しかし、わたしは言葉に詰まる。


前にも、同じようなことがあった。

お兄ちゃんの容態が急変したと電話があって。


あのときも急いで病院に駆けつけて、お兄ちゃんは危ない状態だったけどなんとか危機から脱した。


昔からお兄ちゃんは体が丈夫だった。

だから、もしかしたら今回もわたしがいなくたって――。


と思ったけれど、わたしの脳裏に最悪の状況が思い浮かぶ。