籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

「…はい」


横柄な態度で玲に吐き捨てると、十座はその場を去っていった。

玲は、そんな十座の姿が見えなくなるまで頭を下げ続けていた。


殴られた頬が赤く腫れる玲の横顔を見ていると、わたしの胸がぎゅうっと締めつけられた。


わたしは、あの場で車にはねられて死んでいたっておかしくはなかった。

玲がいてくれたから、これくらいの軽い顔の傷だけで済んだというのに。


「…玲」

「どうした?」

「十座にやられたところ…大丈夫なの?それに、なんで玲が殴られなくちゃいけないの…」

「こんな腫れ、すぐに治る。それに、ミスをしたのは俺だから。殴られて当然だ」

「…そんなっ。いくらなんでも横暴すぎるよ!」

「それが、俺たちが仕える総長のやり方だ」


やり方って言ったって――。

平気で仲間を殴るようなやつが…総長だなんて。