籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

きっと俗に言う、死ぬ直前に体験するというアレに違いない。


…ということは、わたし。

ここで死ぬの…?


そう思った瞬間――!


突然、体が衝撃を受けて前方へ吹っ飛んだかと思ったら、気づいたときにはわたしはアスファルトの上に転がっていた。


「…っぶねぇ」


絞り出すような声が聞こえて顔を向けると、目の前には玲の顔。

間近で目と目が合う。


なんで玲の顔がこんな近くにと思ったけれど、玲がわたしの頭と体を包み込むようにしていっしょに倒れていることに気がついた。


驚いて体を起こすと、さっきまでわたしがいた歩道の向かい側にいた。


まるで、瞬間移動したかのよう。


この場の状況から考えると、わたしが車にひかれそうになったとき、後ろから走ってきた玲がわたしを抱きかかえ、向かい側の歩道へ飛び込んでくれたようだ。