「だったら僕も手伝いますよ。神楽さん怪我してるし、持ちます」
「いらねぇ」
追い払うように手でガードをする。
「その傷まだ癒えてないんですよね?血エグかったすもん。組長が神楽さんを連れてきた時、僕、組長怒らせたのかと思ってました。組長片手に血だらけのナイフ持ってたから」
「なわけあるか」
「そしたら組長、神楽さんが自分で刺したって言うし……」
「えっ……?」
珍しく羽瑠が反応した。
「え?知らねーの?」
あのバカ……!
「君のヒートに理性を保とうとして、神楽さん自分の手を刺したって────……」
これ以上何も言わないように口……いや、顔ごと掴んだ。
「余計なこと喋んな」
「痛ーーー!ちょ、それ利き手!!まじ痛いっすから!!!」
羽瑠の手が震えてるのがわかった。
……最悪。