そして視線の先に、あたし達と同じように固まる敦雅さんの姿を見つけた。



「……もしかしたら千葉の方が優れてる説出てきた」


独り言のように声を出した衣吹さん。

その声に敦雅さんが反応したのか、急に振り返った。


「ちょ、見たか?今の」

「見た見た!」


興奮気味の2人は、あたしがさっき何気なく言った言葉を議題にして……神楽さんと千葉さんの内、どちらが優れているか調べることになったんだ。




「俺も千葉がどれくらい優れてるか知りてーわ」

「いや、あんたは知っておかなきゃダメでしょ」

「……」


ほんと、深い意味はなかったんだけどなぁ……。

なんだか話が大きくなっちゃった。



「で。俺を呼んだんだ?」


衣吹さんに呼ばれて居間に来た神楽さんは、深いため息をついた。


うあ……。

絶対呆れてるよ神楽さん。