とあるホテルの一室。

最上階と言っても過言じゃない場所から眺める景色はとても綺麗だった。


空いていたのがこの場所だからと言っても、決して安くはなかったはず。



「か、神楽さん……ここ高いんじゃ……?」

「そんな事心配しなくてもいいから。それより容態は?」


ネクタイを緩めた神楽さんはそのままベッドに腰を下ろした。

そのままシュルッとネクタイを外して、ボタンも外せばあたしの心臓は一段と飛び上がる。


それが例え、ボタンを2つしか外してなくても。



「えっと……だ、大丈夫です。たぶん……」


目のやり場に困る。

視線を泳がせるように逸らして、逃げるようにもう1度窓の外の景色を眺める。


うあ……。

挙動不審だったかな……?



「羽瑠。おいで」


ドキッ



そんな優しい声を出されたら、ドキドキしちゃうわけで。

ゆっくり振り返ればベッドで神楽さんが待ってるから、またドキッとする。