「ぷ、はっ……」


長く重なっていた唇が離れたタイミングで、あたしは息を大きく吸った。



「息止めてたの?」


何度唇を重ねても恥ずかしい気持ちは慣れなくて、顔を隠すようにポスッと神楽さんの胸に埋まれば頭を優しく撫でてくれる。


それがあたし達のやり方で、愛情表現。


だけど、今日はいつもよりキスが長くて。

息をしてないのがバレてしまったんだ。



「もしかして今までずっと息止めてた?」


神楽さんの胸で小さく頷けば、撫でる手が止まる。


う……。

怒っちゃったかな?





ゆっくり顔を上げれば至近距離で神楽さんと目が合って、ドキッと胸が跳ねた。



「練習する?」

「え?れん、しゅー?」


何の……?


「キスの」


その言葉を聞いて今以上に鼓動が早くなる。