先の見えない道を手探りで歩くような日々の中で茜の声だけが救いだった。
11月16日、まだ手紙が届かない。
茜が泣いた。
そして今にも消えてしまいそうな声で気持ちを吐露していく。
「紅くんだけが、わたしのすきな人だよ」
胸が切なくないた。
茜も俺ももう限界だった。
俺と関われば茜はより周りから孤立するだろうし、危険が及ぶだろう。
だが茜はそれがどうしたと跳ね除け、俺と一緒にいたいと言う。
じゃあ俺が茜の安全のために距離をとるのはただのエゴじゃないか。
「茜、今日はもう暗いから泊まっていきな」
12月16日、まだ手紙は届かない。
俺たちに残された時間はほとんど無いだろう。
それでも時間の許す限り、茜と共にありたい。
そして1月16日、茜の誕生日前日。



