あれから1年経った。

 紅くんは言っていた通り服を沢山送ってくれたし、ほとんど毎日電話もした。

 画面越しでは会えるのに、実際には月に一度しか会えない。

 電話で話せば話すほど渇きが酷くなる。

 それでも求めることを辞められない。

 少しでも紅くんと時間を共有したくてついつい電話をかけてしまう。

 まるで底なし沼にズブズブと沈んでいくよう。

 しかも月一で会えるのだって明るい時間だけだから、一緒に暮らしていたときのように同じベッドで一夜を過ごすことは出来ない。

 ・・・字面だけだとただの淫らな関係だと捉えられそうだけど、私はただシトラスの香る布団の中で紅くんに抱きしめられて眠りたいだけ。

 まぁ時峯藤治にそれを言っても通じなかったけど。

 一緒に寝たいだけなら昼間でもいいんじゃない?って思うかもしれないけど、紅くんの家に行くのも禁止されいるから不可能だ。

 そのせいで幹部たちにも会えていない。

 一応撫子と長春は私の護衛としてここにいるし、朱雀も紅くんと共にここに来るから会えてるけど、それでも寂しいものは寂しい。