食い下がらないと。
「紅くんが半端者ってどういうことですか?」
「なんだ知らんのか。國光、説明してやれ」
「はい」
時峯藤治に呼ばれた國光麹が一歩前に出た。
さっきまで襖の前で佇んでいた男だ。
彼は國光会会長であり、時峯藤治の忠実な下僕だった。
常に中立を保ち、時峯家の意向に従い動く人物。
國光麹は私の前まで歩を進め、跪いた。
「茜様は月詠紅の立場をご存知ですか?」
「月詠会会長兼若頭」
問いに答えると國光麹はニッコリと笑った。
目が細くキツネみたいだ。
「ご名答です。では何故彼が2つの役職を兼任しているかは?」
「知らない」
「そうですか」
私が首を振ると國光麹は一つ一つ事実を紐解くように説明を始めた。



