「そう」
ベッドに腰をかけ、扉の前で突っ立ったままの鈴井真那を極めて冷静に見つめた。
自身の行動を後悔するように拳を握りしめ俯いている。そのまま顔を上げずに、声を絞り出した。
「今更こんなこと言っても信じられないだろうが・・・お前のことを好きになったのは、本当だ」
「・・・知ってる」
私に告白したときの『鈴木真那』の目は本気だった。
私の答えに安堵したのか、拳を握る力が緩んだ。
でもさっきの決別の言葉が効いているのか覇気がない。
「もう眠いの。出てって」
そう告げると「また来る」と言って去っていった。
ドアの鍵がかけられる音を聞いて、ベッドに大の字に寝転がった。
一人になったところで思考を巡らせる。
私を拉致したのは、私を人質にして日暮組に手を出せないようにするためだという私の予想は外れていた。



