水族館デート同様に人っ子一人いない。
どうやら裏社会の人たちは貸切が好きらしい。
月詠会経営とのことで好きな物を持ち帰って後払いすればいいとかなんとか。
私はそれらを天ちゃんに教えてもらった。
月詠会の人間は私なのに、烏賀陽組の天ちゃんの方が詳しいのが悔しかった。
まだまだ勉強不足だと痛感する。
私のモヤモヤを知ってか知らずか、天ちゃんは明るい声で話しかけてくる。
「ねねね、どっか行きたいところある?」
「うーん・・・初めて来たからよく分からない」
「そっか。じゃあテキトーにぐるぐる回ろー!」
「わぁ!?」
手を繋がれ、ずんずんと進んでいく天ちゃんについて行く。
紅くん以外と手を繋ぐのは初めてだったけど、意外と不快ではなかった。
普段なら紅くん以外に触れられると考えただけで嫌悪感を抱くのに・・・。
相手が同性だからかな。
比較対象が少なすぎてよく分からないや。
「あっ」



