「だってひとりだから」

「別に俺はそれでいいよ。ほら、あっちの方が楽しそう」



 そう言いながら王子様が指した方には、私と遊んじゃいけない子が沢山いた。

 私と遊びたくない子と私も遊びたくない。

 離れたくなくて抱きつく力を強めた。



「おにーちゃんがいい!あっちいってもなかまハズレだもん!」

「えっ」

「みんな、おかあさんに『あかねちゃんとあそんじゃダメ』っていわれたんだって」



 自分で言ってて泣きそうになった。

 割り切っていたつもりでいたのに、小さい私にとって、ずっと独りでいることはかなりこたえていたのだ。



「おにーちゃんも1人だから、おなじなのかなっておもって・・・・・・」



 声が萎んでいく。それでも王子様を離そうとはしなかった。

 先生がさっき「今日は特別に中学生のお兄さんとお姉さんが遊びに来てくれました〜!」と紹介していた。