紅くんが言っていた通り、月詠家本邸は以前住んでいた所よりも警備が厳重だった。

 常に門には見張りがついているし、廊下には監視カメラがある。

 だから月詠家以外の者は決して訪れないと思っていた。

 でもなんと今日、初めてお客さんがやってきた。



「茜ちゃんやっほー」

「邪魔する」

「天ちゃんと蒼くん・・・!」



 会議室で待っていると紅くんが二人を連れて入室してきた。

 ガタッと立ち上がり三人のそばによる。

 そんな私の肩を紅くんが抱いた。



「茜が天と仲良さげだったから一応連れてきたけど、嫌だったから追い返すよ」

「大丈夫。嫌じゃない」



 ゆるゆると首を振ると腰まで伸びた髪が(くう)を舞った。

 それを見た2人がピシリと固まる。



「? どうしたの?」

「茜ちゃん、その髪色・・・」

「髪?」



 そういえば私の髪色は珍しいんだっけ。