どうせならもっと無知でありたかった。

 なんでよりによって、ここで・・・。

 真っ赤になって俯いた。

 恥ずかしくて紅くんの顔が見られない。



「どうしてそんなに可愛いの」



 熱っぽい声で呟かれた。

 故意ではなく、無意識にこぼれ落ちたようだった。



「早く帰って、続きしよ?」

「・・・・・・うん」



 こくんと頷きながら気怠い身体を紅くんに預けた。

 目下ではルビーの指輪が、私たちを祝福するように輝いていた。