ここまでは想定内だしいつも通りだった。
でも朝起きてからが普段とは全く異なった。
まず移動は紅くんにお姫様抱っこされて行われる。
自分で歩けると主張しても「俺がくっついていたいの」と言われたら何も反論できなくなった。
次に食事。
私はカトラリーに触れることなく、全て紅くんによって食べされられた。
曰く「茜が小動物みたいで可愛い」とのこと。
更に今日椅子やソファーに直に座っていない。
ずっと紅くんの膝の上にいて、その腕に包まれている。
まともに離れたのは着替えるときとお手伝いのときぐらいじゃないかな。
髪だって紅くんが丁寧に梳かしてくれたし。
紅くんの誕生日のはずなのに、私がとろとろに甘やかし倒されてる気がする。
本当にこれでいいのかなぁと思い紅くんの顔を覗くと「どうしたの?」と訊くついでに瞼にキスを落とされた。
「私ばっかり甘やかされてるけどいいのかなって」
「うん。俺がしたくてしてることだし」
「でも今日の主役は紅くんだよ?」
「んーそうだなぁ・・・。じゃあ茜が甘やかしてくれる?」
期待の込められた眼差しに応えるように、自信満々に「いいよ」と言い切った。



