月ノ蝶、赤縄を結ぶ


 まるで私の考えなど全部見透かしたような目をしている。

 その目から逃れるように胸元に顔をうずめた。

 それと同時に紅くんにぎゅうっと抱きしめられた。シトラスの香りが鼻こうをくすぐる。

 私の反応を面白がってるんだ。

 さっきまでは同じ年みたいだったのに、もう大人の男性に戻ってる。

 紅くんには敵わないなぁと思いながら瞼を閉じた。






「紅くん、お誕生日おめでとう!」



 零時になった瞬間、紅くんに抱きついた。

 すりっと頬を擦り寄せると背中と頭に手を添えられた。



「ありがとう。茜に一番にお祝いされて嬉しい」



 目を細めながら微笑まれたから私も笑い返す。


 こうして紅くんの24歳の誕生日が始まった。


 お祝いの言葉を伝えたあとはぴったりとくっついて眠った。