月ノ蝶、赤縄を結ぶ


 だから私も焦って余計なことはしたくない。



「どうすればいいんだろ・・・」



 良い案が浮かばないまま、机に突っ伏して独りごちた。






 そんな私の悩みごとは紅くんによって解決された。

 それは寝る前にベッドで甘えていたときのこと。

 紅くんが私の頭を撫でながらおねだりしてきたのだ。



「ねぇ茜。俺の誕生日に茜の時間、全部ちょうだい」

「えっ?」

「誕生日プレゼントはそれがいい」



 私の髪を手櫛で梳きながら「ダメ?」はずるい。

 可愛い。

 こういうときの紅くんは同い年に見える。

 一応7歳差のはずなんだけど、紅くんが童顔だからかな。



「いいよ。あげる」



 えへへ、と笑いかけると「ありがとう」とおでこにキスされた。