月ノ蝶、赤縄を結ぶ




「紅くん、大事な話なら2人で話してきた方がいいよ」

「でも茜を置いてっちゃうよ」

「撫子と長春がいるから大丈夫」



 だから、ね?と促すと、渋々蒼くんと少し離れたところに移動した。

 見るからに不服そうだったから、後で甘やかそう。


 紅くんが行っている間にスイーツでもつまんでおこうと思ったけど、その前に天ちゃんに話しかけられた。



「茜ちゃんって凄いんだね。紅が人の言うこと聞くところ初めて見た」

「そうなんだ」



 紅くんはいつも私のお願いを叶えてくれるから意外だった。

 あぁ、でも月詠会の会長兼若頭なら、そう簡単に人の言う通りに行動できないか。

 天ちゃんに指摘されたことで、私は紅くんに甘やかされていることをより実感した。



「ってか茜ちゃんってもしかしなくても表社会の子だよね?」

「うん、多分」



 その表社会の人達に避けられてきたから、私が本当にそこに属していたのか曖昧だけど。