月ノ蝶、赤縄を結ぶ

 紅くんはまだ余韻が抜けない私の頬に触れるだけのキスを落とした。



「もう寝よっか」

「・・・うん」



 頷きながら紅くんの頬にキスをお返しする。

 これが私たちのお休みの合図だ。

 今日も紅くんに守られるように抱き締められながら眠りに落ちた。





 紅くんが外に誘ってくれたのはここに来てから10日が経ってからのこと。



「晩餐会・・・?」

「そう」



 紅くんは首を傾げる私の頭を撫でながら肯定した。

 定期報告会終わりに毎回開かれる場らしい。

 私が紅くんと再会して婚約者という立場になったため、他の組織から茶々を入れられる前に正式に公表したいという。

 晩餐会って言うと指定席に座らされて運ばれてくるお料理を食べながら談笑する感じかな。



「とはいってもどっちかって言うと社交パーティー寄りなんだけどね。踊らない舞踏会のイメージしてくれたらいいよ」