月ノ蝶、赤縄を結ぶ



 でも今は違う。


 私はスマホフォンを持っているし、紅くんは私を婚約者として幹部に紹介した。

 それでも写真を撮らなかったのは、単にその習慣がなかったから。

 こんなところに昔の名残があったとは驚きだ。


 これから私達は結婚して、生涯を共にする。

 その軌跡を写真として残すのも素敵だと思った。



「なら2人でも撮ろうよ」

「いいね、それ」



 腕にぎゅっと抱きつき提案したら、あっさりと了承してくれた。


 初めて2人で撮った写真は、ピントがあっていなくて笑った。

 背景には魚が一匹も写っておらず、これではどこに行ったのか分からない。

 私があまりに笑い続けるものだから、紅くんが「写真撮るの慣れてないから仕方ないでしょ」とむくれちゃった。

 可愛い。

 紅くんは何でもそつなくこなせるタイプだと思ってたから、意外な一面が見られて嬉しい。



 その後もペンギンやイルカなどと写真を撮って回った。