言いたいことがあるなら言って、と促すように首を傾げる。
「・・・もしかして誰かと海に行ったことあるの?」
「ないよ。中学の修学旅行、沖縄に行く予定だったけど私キャンセルしたし。だから初めての海は紅くんと行きたいな」
「じゃあ今度行こっか」
「うん!」
どうやら一緒に海に行くような親しい存在がいるのか気になったみたい。
もしいたとしたら、それが男の子だろうが女の子だろうが嫉妬したんだろうなぁ。
私だったらするもん。
私の方が紅くんと仲良いし好かれてるって。
この水族館の名所であるトンネル水槽に差し掛かったところで、後ろからシャッター音が聞こえた。
犯人は一人しかいない。
振り返ると、紅くんがスマートフォンを構えていた。
「紅くん、ここ撮影禁止だよ」
「人いないからバレないよ」
「悪い大人だね」
「今気づいたの?」
クスッと笑いながら私の前に歩み寄った。



