「ほら、行こ」
「うん!」
とにかく今日は楽しもう。
なんてったって紅くんとの初デートなのだから。
「紅くん、クリオネだよクレオネ。名前からして可愛いよね」
透明な身体から不透明な内臓が透けて見える、この白と赤の組み合わせも可愛い。
さすが流氷の天使と呼ばれるだけある。
「あ、クラゲもいる!海にいると厄介らしいけどこうして見ると綺麗だよね」
クラゲの長い足が幾千もの複雑な線を描いている。
それでいて一箇所も絡まっていないのが不思議。
紫色のライトに照らされ、悠々自適に泳ぐその姿は、まるで宇宙を旅しているかのように見えた。
ふと紅くんに視線を向けると、クラゲには目もくれず、私ばかりをただ見守っていた。



