月ノ蝶、赤縄を結ぶ

 あれ結構嬉しかったんだもん。






「・・・ねぇ、全然人いなくない?」



 水族館に着いたのはいいものの、人影が全く見当たらない。

 おかしい。

 テレビで観た時は大盛況だったのに。

 これじゃあ廃業寸前だって疑われてもおかしくないよ。


 私の疑問には、さらりと恋人繋ぎしてきた紅くんが答えてくれた。



「貸し切ったからね」

「え、そんなこと出来るの・・・?お金大丈夫だった??」

「うん。一生遊んで暮らせるぐらいのお金はあるから大丈夫」

「いっ、しょう・・・」



 一生分ってどれくらいだろう。

 億はくだらないだろうし、水族館を貸し切れるぐらいの余裕があるってことは・・・兆?

 いや考えるのは辞めとこう。

 無粋だ。


 紅くんが思考停止状態の私の手をひいた。