月ノ蝶、赤縄を結ぶ

 月白色のラウンドネックのランダムティードセーターに黒のレザースカートを合わせた。

 紅くんが何か言いたげに脚を凝視していたけど「俺以外に脚見せたくないから違うのにして」と言われかねないから、わざと触れないでおく。

 靴はスカートと同じく黒色のショートブーツ。

 今までは靴にお金をかける余裕がなく、スニーカーだけで凌いできたから履き心地が新鮮だ。


 紅くんにエスコートされ車に乗り込むと、首元を覗き込まれた。



「それ、もう薄まってるね」

「っ!」



 反射的に首元を隠す。

 そこは先週紅くんにキスマークを付けられたところだ。

 おかげで撫子と長春と鴾に生暖かい目で見られて気まずかったし、鏡を見る度に一部始終が脳内再生され悶々とする羽目になった。



「付け直そうか?」

「い、いい!!」

「なんだ残念」



 残念、と口では言っているけど、これは私の反応を楽しんでいるだけ。