月ノ蝶、赤縄を結ぶ


 それからオーブンシートを敷いたバットに流し込み平にする。



「あっ、ちょっとこぼれた」

「この程度なら問題ないですよ!」



 そして冷蔵庫に1時間放置した後取り出し、バットからも取り出し一口サイズに切っていく。

 さっきの私の包丁使いが不安だからと鴾が代わりにやってくれた。

 最後に茶こしでココアパウダーをふりかける。



「ゲホッ、ゴホッ」

「お嬢!?掛けすぎです!」

「み、水・・・」

「はい!ただいま!」



 こんな感じで"多少"アクシデントはあったものの何とか生チョコを作ることが出来た。



「手伝ってくれてありがとう、鴾」

「お嬢のお役に立てたなら何よりです。若も喜ばれることでしょう」

「うん。朱雀も喜ぶと思うよ」



 そう返すと鴾は頬を桃色に染めて笑った。

 見た目は金髪にピアスでなかなか強かそうだけど、中身は良妻を体現したような穏やかさを持ち合わせている。