月ノ蝶、赤縄を結ぶ

「撫子の弟の長春(ながはる)です。あの時は助けていただきありがとうございました」



 勢いのある姉に比べて弟は控えめだ。

 それよりも弟の最後の言葉が気になった。



 私、誰か助けたっけ?

 そもそも人とろくに関わってこなかったんだけど・・・。



 いや、私が助けたかは微妙だけど、一緒に危険な目にあった子達はいる。



「もしかして誘拐されてた子たち・・・?」

「覚えていただいていたようで光栄です」



 やっぱりそうか。

 あの時は暗くてよく見えてなかったけど、2人とも明るめの茶髪に琥珀色の瞳をしている。



「あれから大丈夫だった?元気にしてた?」

「はい!お陰様で!」



 今度は撫子の方が元気よく答えた。

 それに伴いポニーテールも揺れる。

 前は確かもうすこし気性が荒かった気がするけど、時間とともに成長したみたい。