迷宮階段

☆☆☆

 帰宅すると案の定小言が飛んできた。
「今日は部屋の掃除をちゃんとしなさいよ。換気もしっかりして、空気を入れ替えなさい」

「わかってるって」
 苛立つ気持ちを押し殺して自室へ向かう。

 昨日お母さんが勝手に片付けているから、少しは綺麗になっている。まずは窓を開けて空気を入れ替えることにした。
 外から入ってくる風はすっかり夏で、これからどんどん気温が上昇していくことを暗示させていた。

 それから床に散らばったマンガを片付けていく。本棚の前に座り込み、巻数順に並べていく作業は地味だけど楽しい。
 ズラリと背表紙が綺麗に並んだ様子は実は好きだった。

「よし、これで終わり」
 これで今日はもうお母さんから小言をもらうことはないだろう。

 私はさっさと宿題を終わらせるために机に向かったのだった。