☆☆☆

「真美、起きてるの?」
 コンコンとノックの音が聞こえてきた後、お母さんの声で目が覚めた、

 泣き疲れた私はいつの間にか眠ってしまったみたいだ。
 重たいまぶたを開けてスマホで時間を確認すると、すでに夕方になっている。

 頭は少しスッキリしているけれど、涙の痕のせいで頬がカピカピになっているのがわかった。
「起きてるよ」

「晩ごはん食べられそう? 熱はあるの?」
 色々と質問しながらドアが開けられて、次の瞬間「なにこの汚い部屋は!?」と、声が上がった。

 私は自分の部屋へ視線を向ける。
 ここ最近ずっと放課後になると麻衣たちと遊び歩いていたから、部屋を片付ける時間がなかったのだ。

 と言っても読み終えたマンガや雑誌がそのままになっているだけで、ゴミが散乱しているわけじゃない。