迷宮階段

☆☆☆

 確かに麻衣は可愛い。学年で一番と言ってもいいくらいだ。だけど、だからって人の彼氏をとっていいわけじゃない!
 翌日、私の怒りは頂点へ達していた。

 ふたりで仲良くしているのを目撃したときはショックすぎて怒りを感じなかったけれど、一夜明けてようやく裏切られたという気持ちが湧いてきたのだ。

 怒りに任せて大股に歩いて学校へ向かう。
 二年A組の教室にはまだ海人も麻衣も来ていなかった。里子の姿だけはある。

 里子は私が登校して来ても少し本から顔を上げるだけで、もう挨拶もしなくなっていた。だけどそんな事今はどうでもよかった。

 麻衣たちが登校してくるのを今か今かと待ち構える。
 そして次々と生徒たちが投稿して来る中、ようやく麻衣がやってきたのだ。私はその姿を確認した瞬間勢いよく立ち上がってあるき出した。

「おはよぉ真美。怖い顔してどうしたの?」
 麻衣はいつもの調子で微笑んでいる。人の彼氏をとっておいて、よくそんな笑顔ができるんだ!

「麻衣、話があるの」