迷宮階段

 とても親しそうに話かけ、麻衣の隣に座った。
 麻衣は海人と肩がぶつかるような距離にいるのに、少しも身を離そうとしない。どこからどう見ても、カップルだ。

 やがて注文していたパフェが運ばれてきたかと思うと、互いに同じスプーンをつかって味見をし始めたのだ。
 そこまで見て、私は強く拳を握りしめていたことに気がついた。手の平にはびっしょりと汗が吹き出し、爪の跡が残っている。

 海人も枚も、最低……!
 私は泣いてしまいそうになるのをグッと我慢して、その場を後にしたのだった。