「でも椿とのキスは別。極甘でやみつきになる」



 へっ?



 「だからもう少しだけ……」




 もう少しだけといいながら、私に絡めていた腕を緩めてくれた朝都。

 バックハグから解放され、私は暴れる呼吸を落ち着かせる。



 はぁ~。

 俺様チックなキスに、心臓が飛び跳ねすぎて過労死しちゃうかと思ったよ。

 今のうちに、酸素をたくさん取り入れて……



 びくっ!



 朝都が私の目の前に回り込んできた。



 「顔真っ赤。マジでかわいい」



 瞳をやさしく揺らす朝都に、両手でほっぺを包まれちゃったし。



 「俺のキスで恥ずかしがる椿を、もっと見せて」



 ひゃっ!

 またキスをするつもり?



 ここでは無理。

 せめて、二人だけになれる場所にして。

 屋上にいるたくさんの生徒たちに、見られているんだから!!