「本当にありがとう。朝都のおかげで、倒れずにすんだよ」
だからもう……
「まだ、俺の胸に顔をうずめてて……」
「えっ?」
「いま椿の顔を見ると、俺が暴走しそうで怖いから……」
耳元で奏でられた、テレ交じりのワイルドボイス。
甘い声が耳の中でこだまして、鼓膜がくすぐったい。
幸せ過ぎて、私の心臓がとろけちゃいそう。
ひゃっ!
さらに強い力で抱きしめられちゃった。
朝都のほっぺが、私の後頭部に押し当てられているよ。
火照る顔を朝都の胸にうずめ、視界をふさいでいるのに
「総長が女子を抱きしめてる!」
「副会長の椿先輩じゃない?」
「きゃぁぁぁ! 美男美女すぎてドラマ見てるみたい~」
女子のキャーキャー声は、遠慮なく耳に入り込んでくるし。
男子は男子で、なぜかハイテンション。
「女嫌いの総長が、ついに彼女を作った」
「ヤバッ! うちの学園の記念日じゃね?」
「お祝いするっきゃないっしょ!」
お祭りのノリで、ワッショイワッショイ叫びだす始末。



