――本当に欲しいものを、自らの手でつかみ取ってもいいですか?
私はバタバタと走りだした。
大きな毛布にくるまりながらだから、うまく走れない。
足がもつれそうになって焦る。
「朝都!」
大好きな人の背中に届けと吐き出した声は、思った以上にひどいかすれ声で。
朝都が振り返るより先
「なんだなんだ」
と視線突き刺をしてきたのは、周りにうじゃうじゃいる生徒たちだったけれど。
みんなに見られていてもいい!
恥ずかしい奴と笑われてもいい!
不思議と他人の目が気にならなくなったのは
『かけがえのない存在を、絶対に失いたくない!』
羞恥心がごまかせるくらい、朝都への恋熱が燃えたぎっているせいなのかもしれない。



