総長様は恋の反抗期真っただ中


「朝都よかったね。初日の出に拝んだ直後に、願いが叶って」


「なんでオマエは笑っていられるんだよ。父親の会社のために、利用されてるってことだぞ」


「それは朝都も同じでしょ?」


「俺は違う! 自分の意志で、父親の会社を継ぐって決めたんだ。でも椿は……」


「私だって自分の意志だよ。嬉しいの、会社の役にたてることが」


「そんなの偽善だ」


「お父さんの会社で働く人たちに会ってみてよ。いい人ばっかりなんだよ。会社に行くとね、私を娘のようにかわいがってくれるんだ。お父さんの会社がつぶれたら、みんなを解雇しなきゃいけなくなる。みんな路頭に迷っちゃう。家族を養っている人たちだってたくさんいるのに。恩を仇で返すのは、絶対にイヤなの。娘の私がしっかりしないといけないんだから」


……つばき。