「大人のくせに羽目を外すまで酒を飲んだ自分が、情けなくなったとか？」
「違うよ。自分たちの会社をビッグにするために、子供の人生を勝手に決めてしまって悪かったって。特に朝都は、一生恋愛なんかしないって言ってるでしょ？ 結婚願望がない子供に結婚を押し付けるなんて親失格だって、朝都の両親も泣きわめいちゃって」
なんだよそれ。勝手に決めんな。悪くねーし。
恋にヘタレな俺は、万々歳だったんだよ。
大好きな女と、将来結婚できるって。
何万回、自分の部屋で両親に感謝したかわかんねー。
「もともとは俺と椿で、俺の父さんの会社を受け継いでいく話だったと思うが……」
「東条カンパニーは、朝都一人も大丈夫でしょ？」
「は？」
