恋神様に願いを込めて

「みなさん、永野先輩に言ってもらったことやしてもらったことを忘れたんですか?」



それはどこから聞こえてきたのかわからなかった。


だけどその一言に、見守っていた周りの人たちがざわざわと騒がしくなった。



「そうだよ、永野さんは一生懸命話を聞いてくれた」


「永野先輩のおかげで彼氏と復縁できた!」


「喧嘩ばっかしてた彼女と、永野さんがアドバイスしてくれた通りによく話し合ったら結局別れることになったけど、俺は後悔も未練もなくその恋を終わらせることができたよ」


「永野さんは一歩を踏み出す勇気をくれる。だからたとえどんな結果になったとしても、それは自分次第だよ。うまくいかなかったのは、永野さんのせいなんかじゃない」


「そうだそうだ!自分が永野さんのアドバイス通りにしなかったせいじゃねぇーの?」


「それとも人気者な永野さんのことを妬んで、自作自演とか?」



ぎくりと二人が気まずそうに視線を泳がせた。



「私のことが気に食わないならそれでいいわ。だけど、もしも本当に何か困って話が聞いてほしいってなった時には、次こそ本当の恋愛相談をしにきてちょうだい」


「…騙してごめんなさい」


「少し、羨ましかっただけなの…」



二人はぽつりと謝ると、気まずそうに教室を出ていった。