恋神様に願いを込めて

五十嵐がそう言うのと同時にチャイムが鳴り、クラスメイトの女子は自席に戻っていった。



「…別に、私のこと庇ってくれなくていい。あの子の言ってることは間違ってないし」


「ん?ああ、さっきのこと?俺は落合さんのこと庇ったつもりなんてないよ。本当のこと言っただけだもん」


「本当のことって…あんたと話したことないんだから、私がどんな人間か知らないでしょ?」


「そうだけど、さっき俺がよろしくって言った時に返そうとしてくれたでしょ?挨拶をちゃんと返してくれる人が優しくないわけないじゃん」



なんだその理屈は…と思ったけど、初めて人から優しいなんて言葉を言われ、本当は嬉しかった。



「…変な人。あんた変わってるよ」


「あははっ、落合さんはツンデレだなぁ」



初めて私を肯定してくれて、他の人と同じように接してくれる五十嵐に、その時から惹かれていたのかもしれない。





「落合、ちょっといいか」



今日も図書室に寄って帰ろうと席を立ったところで、担任の先生から呼び止められた。



「今日休んでる五十嵐の家に、プリント届けに行ってくれないか?」


「…え?私ですか?」



昨日の雨のせいかわからないが五十嵐は今日熱で休んでいた。


少し気になってはいたけど、まさか家に行けと言われるなんて思ってもいなかった。